USB PDという規格をを活用して、ACアダプタをモバイルデバイスで、できるだけ共用してみよう。
少し前のiPhoneやiPadmini付属のACアダプタでは、iPadが充電できなかったり、できても非常に時間がかかったりしました。
見た目は同じでもiPhone用の5WとiPad用の10Wのタイプが存在していたからです。
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見た目が同じでも、給電能力が違うACアダプタ
iPadに付属の充電器は、第1~3世代は10W、第4世代は12W、iPad miniはiPhoneと同じ5Wでした。
現行のアップル純正のACアダプタは、iPhoneもiPadも同じUSB Type-Cの20Wタイプです。
(iPhoneは専用ケーブルのみ付属で、ACアダプタは別売り)
以前の機種でも利用可能で、iPhone8以降であればワイヤレス充電と急速充電に対応しています。
現行のandroidでは、充電時に「いたわり充電」の機能もあり バッテリーに負担をかけない充電ができます。
モバイルバッテリー、ACアダプタなどを開発、販売しているANKER社という企業があります。
ANKER社の製品に採用されているPowerIQという技術は、充電ポートに接続された機器を自動的に検知し、最適な電流を送る、というものです。
購入する場合は、PowerIQのマークを目印にするのもいいかもしれません。
ノートPCの充電には、専用のACアダプタを使用する?
WindowsノートPCの場合、C13という充電専用コネクタが採用されていることが多いです。
見た目が同じC13でも電圧が違う場合があるので、専用の充電器を使いまわすのは危険です。
またMacBookでも充電器は機種によって専用のコネクタが使われていました。
現在のMacBookには専用のコネクタはありません。付属するUSB Type-Cコネクタ採用の専用の充電器で、USB Type-Cポートから直接充電するのです。
Windowsノートも、専用の充電ポートだけでなく、USB Type-Cポートからの充電も可能な機種も数多く存在します。
(MacBookのように、専用の充電ポートを持たない機種も増えてきました。)
そこでUSBの公式規格として2012年に発表された「USB PD(USB Power Delivery)」という規格があります。
USB Type-C経由でノートPCなどを充電することも踏まえて策定されており、同規格の出力は最大20V/5A(=100W)に拡張されています。従来の7.5Wと比べると約13.3倍の値です。
USB PD 対応のACアダプタを全てのモバイルデバイスに使ってみる
USB Power Deliveryでは、USB Type-C端子から5V、9V、15V、20Vの4つの電圧に対応した電力を供給できます。
スマートフォンだけでなく、ノートPC、タブレットに対応できます。
加えてUSB PD対応のモバイルバッテリーがあれば、コンセントのない場所でもスマホやノートPC、タブレットに電源を供給できます。
気をつけてほしいのは、USB PDに対応しているACアダプタでも、急速充電での所用時間は使用しているケーブルや、ワイヤレス給電規格 Qi (チー) 対応のアダプタの能力に影響されることです。
あわせてケーブル類のチェックも行ってください。
なお、同じ条件の場合、ワイヤレス給電よりケーブル接続の方が充電時間短縮になる場合が多いようです。
裏技として、C13コネクタなど専用の充電コネクタしかない機種も、USB-Cと専用コネクタの変換ケーブル(トリガーケーブル)の使用でUSB PDで充電可能になります。
その場合、トリガーケーブルが規格をクリアしているかしっかり確認してください。
USB Type-C規格は、大出力対応へ向かっていくのか
USB-IFは2021年5月25日(現地時間)、USB Type-Cの規格においてケーブルとコネクタに関する仕様のリビジョンを2.1にアップデートし、この中で新たに48Vの電圧を追加しました。
対応には電気的に50Vまで耐えられる仕様に準拠する必要がありますが、供給できる電力が100Wから240Wに引き上げられます。
USB Type-C規格は、より大出力への対応に向かっていくのでしょうか。
より多くのデバイスで同じACアダプタを共用できることは、我々にさらに多くのメリットをもたらすでしょう。